6世代固定孵化(リセット法)

はじめに

2024年4月上旬に3DSのオンラインサービスが終了することが本日発表されました。トリプルフリーの余命宣告です。時間が残り少ないならば、できるだけ有意義かつ効率的に使うべきであり、厳選に割く時間はできるだけ減らしてその分対戦に充てたいものです。そこで、厳選を楽にできる方法を一人でも多くのトリプル勢に共有するためにこの記事を書くことにしました。記事を書くのは初めてなので見辛かったり、分かりにくかったりする部分も出てきてしまうかもしれませんがよろしくお願いします。

固定孵化に必要なもの

固定孵化の仕組みは乱数調整ほど複雑ではなく、パソコンでの計算等も不要なので、やり方を理解してゲーム内の環境を用意すれば誰でもできると思います。ただ、その環境を整えるのに特殊な個体値メタモンが必要になりますが、それは自分が用意するので大丈夫です。以下必要事項

  • 厳選したい♂と♀が存在するポケモン(複数考えておくと尚良し)
  • 6Vかつ夢特性で♂と♀が存在してタマゴグループ未発見でないポケモン
  • 逆6Vのメタモン(以降6V親との組み合わせ或いは片方を指す言葉として固定親と称します) 
  • 秘密基地の仲間の特技の「たまごナデナデ」を2回使える秘密基地(プラチナランクor特技持ち2人用意)

6V夢特性は新規に用意するのは大変ですが、長い間トリプルをやっている人なら1体くらいいてもおかしくないと思います。固定孵化用に新しく用意するなら、5V夢特性に赤い糸、6Vメタモンに5V側の抜けている部分に対応するパワー系アイテムを持たせれば1/64で6Vが生まれるのでそこまで途方もない確率ではありません。

逆6Vメタモンは乱数調整できないと調達はほぼ不可能ですがTwitter(現X)でリプでもDMでも頂ければ差し上げます。ついでにマスターボール窓口もやっているので必要ならご利用ください。

たまごナデナデは最低でもシルバーフラッグが必要なので少しだけ大変ですが、孵化親をコイキングなどの必要孵化歩数(サイクル数)が少ない種族にすることで一応代用可能です。とはいえ最終的には用意した方が楽だと思います。

より理想的な環境(後述)もあるのですが、最低限これだけ用意すれば固定孵化の準備は完了です。

手順

  1. 秘密基地を17番道路の木の所に設定しておく。(17番道路はキンセツとシダケの間、育て屋がある所)
  2. 17番道路の育て屋に固定親を預けてレポート。
  3. タマゴが見つかるまで走って、見つかったらたまごナデナデを2回使って孵化させる。
  4. ジャッジに見せて遺伝箇所を確認する。 
  5. HBDSのどれかが両親のいずれからも遺伝していない自然発生の個体値ならそのままリセット。再開したらタマゴが見つかるまで走って、受け取りを拒否してレポート。3に戻る。(夢特性が必要な場合に通常特性が生まれた場合はジャッジする前にリセットしてもいい。通常特性が必要な場合の夢特性は問題ない。)
  6. AかCのどちらかが自然発生の個体値の場合、どちらの親からどの個体値が遺伝したのかジャッジのコメントから特定して記憶orメモする。ここでは逆6VメタモンからHABが遺伝、6V親からDSが遺伝したものとする(この場合のジャッジのコメントはHABダメかも、DS最高)。また、6V親の性別を♂とする。
  7. バトルリゾートの育て屋で性格・特性を目的のものにしたHABがVの♀、もしくは、DSがVの♂が生まれるまで孵化する。
  8. 7で用意した個体と6Vメタモン17番道路の育て屋に預け、タマゴを作って孵化する。
  9. 孵化したら性格・特性・個体値が合致することを確認する。

以上が固定孵化の手順です。たまごナデナデを使ったあとレポートせずにリセットするので何度でもできます。この方法で通常特性のA/C抜け5V、夢特性のA/C抜け5Vの4パターンを同時に厳選することが可能になります。また、次の項の場合にも固定孵化は有効に働きます。

固定孵化が非常に有効な場合

自分は固定孵化は複数のポケモンを同時に厳選して「当たり」を増やしているようなものと考えています。A抜け5Vが必要な場合に生まれたC抜け5Vを他のポケモンに渡して「当たり」の場合にできたりといった具合です。ただし、「当たり」は増えても試行回数は何度も重ねることになるので、時にはより条件の厳しい「大当たり」も出てきます。6Vであったり、色違いであることは大当たりと言えるでしょう。「大当たり」を普通に厳選するとなると、その途中に出てくるA抜け5Vなどの「当たり」を切り捨てることになりますが、固定孵化で厳選すればそれらの「当たり」を他のポケモンにとって有効なものにできます。ここが固定孵化の最大のメリットと言えるでしょう。さらに、めざパの遺伝の確認が楽なのもメリットです。例えばめざ地が必要で個体値31-奇数-31-30-30-31を狙うなら、その個体値メタモンがいて、片方の親からCとDが遺伝することが分かれば性別が対応するHBSVの親を用意すればA以外理想値になるので、残りの自然発生のAが奇数なら厳選終了です。普通にやるとバトル検定なり通信対戦で個体値を確認する手間がかかるので、そこを省略できる分かなり効率がよくなります。まとめると、

  • 6Vあるいは5VS0
  • めざパ
  • 色違い
  • その他性別などの条件が厳しい個体

これらの厳選において、固定孵化は非常に有効になります。とはいえ低確率なのに変わりはないので、今欲しいAかC抜け5Vの厳選中に出てくればあわよくば…位の気持ちでやっておく方が楽だと思います。あと孵化余りが発生しないのでボックスを圧迫しないのもいいです。最後に具体例を置いておきます。

  1. めざ地夢イーブイ31-31-31-30-30-1、めざ氷通常ヒトカゲ31-30-30-31-31-31を目標とする。
  2. AがVの夢特性が生まれたためあらかじめ用意しておいた目標個体値メタモンと遺伝箇所を合わせたイーブイとでタマゴを作る。
  3. 個体値・めざパが合致するか確かめる。

メタモン用意するのはハードル高いですが、それを除けば、めざパ厳選で面倒な個体値Uもしくは1遺伝の確認を最後の1回だけにできるのでかなり楽になっていると思います。シビシラスなんかは進化させないとめざパ確認もできないので特に有効です。

補足事項

後に回した固定親の理想的な条件の話や育て屋を分ける理由の話をします。とはいえ、なくても成立するので後に回したくらいなので見なくても大丈夫です。

まず、誰にでも当てはまる固定親の理想は同種族(図鑑ナンバーで判定されるので同じ進化系列の組み合わせは不可)の別IDであることです。タマゴが早く見つかるので効率よくなります。色違いが見つかりやすくなる国際孵化にできるとさらに良いです。ただし、メタモン以外を親にすると夢特性は♀からしか遺伝しないので注意です。

また、固定親の6Vは6Uの方がより良いです。遺伝箇所を確認するときに、自然発生の個体値が0かVの場合、ジャッジのコメントでは判別できませんが親が6Uの場合は6U親から遺伝した個体値が素晴らしい〜になり、Vが自然発生した場合はその箇所が最高〜となり、0または30が自然発生するとジャッジのコメントが6箇所に言及してVは自然発生していないと分かるため、6Vにできる個体か判別できます。もっと言うと個体値ALL29を親にすればUが自然発生した場合もコメントが1箇所言及の素晴らしい〜+他ダメかもで判別できます。言及箇所の少なさに着目すると良いでしょう。ただし、遺伝箇所が偏って5箇所ダメかも〜と言われた場合は素晴らしい〜と言われた個体値がUとは確定しないのでそこだけ注意が必要です。

ボール遺伝や性別を気にするなら♀率1/8の種族にして♀が生まれればその他の性別比の種族でも♀になるので御三家などの固定親を用意したいです。性別の時点で完全に足切りしてリセットするなら、♀率1/8で見た目で視認できる性別の違いのあるミツハニージーランスがいいと思います。ミツハニーはめざパを覚えないので親を変えずにめざパタイプの確認ができるジーランスがより優れていますが、ミツハニーはBW2で夢特性を手に入れられるのでBW乱数ができる人にとってはミツハニーの方がお手軽です。

あとは色違いに顕著な差がある種族だと色違いが出た時に見落としにくいです。

ここまでの条件を踏まえた完全な固定親は

  • ♀率1/8の同種族かつ別ID、別国籍
  • 6Uと逆6Vの組み合わせで♀は夢特性
  • 見た目で性別を判断できる種族
  • 見た目で色違いか判断できる種族

となります。完全な状態にするとなると、遺伝していない個体値がU(0)の確率1/32×♀である確率1/8×夢特性である確率1/2で出現率1/512の個体が必要になるのでかなり大変です。こういう個体こそ固定孵化で用意したいです。固定孵化なら個体値はUでも0でも良いので出現率2倍です。

そこまで完璧なものにする必要はないかもしれませんが、一度環境を整えればずっと使えるので準備に手間をかける価値はあると思います。

次に、育て屋を分ける理由の話をします。固定孵化の前提となる仕様は「次に生まれるポケモンの情報はタマゴを受け取るかどうか決定した瞬間に決まる」というものなのですが、自分でやってみた所、それは育て屋ごとに紐付けられているということが分かりました。なので、117番道路側で固定してバトルリゾート側で本命のタマゴを作る、というのはできません。いちいち親の入れ替えが必要なのは手間ですが、逆に、117番道路側で固定だけ終わらせたあとで、バトルリゾート側で理想個体の前身になる親を作るというのもできるので一概に悪い仕様とは言えません。

また、これを利用して2つの育て屋で同時に固定孵化をすることもできます。やり方は以下。

  1. 固定孵化に必要なものをもう1セット揃える。
  2. 2つの育て屋に固定親を預けたらレポート。
  3. タマゴができるまで走って、受け取ったらもう一つの育て屋からもタマゴを受け取る。
  4. たまごナデナデ×4で孵化させる。
  5. どちらも理想個体でなければリセット。2つのタマゴの受け取りを拒否してレポート。
  6. 理想個体が生まれたら遺伝箇所メモ&リセットして理想個体が生まれた育て屋の固定親回収。以降は通常の固定孵化と同じ。

片方のタマゴができるのを待っている間にもう片方のタマゴも作れるので空を飛ぶ回数が増えるのを加味しても効率はよくなると思います。

そして、ここからは未検証ですが性別が片方だけあるいは無性別の種族も固定親を1性別あるいは無性別の種族にすることで固定が可能らしいです。

固定親と本命の親を孵化するときに持たせているアイテムが違うと上手くいかなかったりするらしいですが、普通にどちらも赤い糸と変わらずの石で孵化すれば失敗しないはずなので気にしなくていいと思います。

最後に

散々メリットについて言及してきましたが、デメリットとして普通の孵化厳選よりも操作量が多いのでながら作業に向かない、孵化余りが発生しないのでミラクル交換会で流すポケモンに困るというのがあります。とはいえ自分が思いつくデメリットはそのくらいです。

ここまでの記事は聞きかじった情報を基に実験した経験からの推測で書いたもので記録したりして正確に検証したものではないので間違っている部分があるかもしれません。上手くいかなかったり間違っていたりしたら報告してください。最後にもう一度逆6Vのメタモンは自分が提供できることは伝えておきます。